2022年 医療の展望

国民はコロナによって、自分自身の健康に対して敏感になり様々の医療情報を得ようしている。そして、できるなら医療機関にかかりたくないという風潮も起こっている。それがコロナであることは間違いない。

新型コロナウイルス(COVID-19)の影響を受けて、諸外国同様、医療の現場、及びヘルスケア部門は大変革が求められている。ポスト・コロナ時代における医療環境やヘルスケア分野は多くのステークホルダーが目指していた新しい姿に変貌しようとしている。

1 医療機関

1-1オンライン診療の拡大

日本では医師と患者が直接会って診療を行う「対面診療」が原則である。スマホのアプリなどを通じて診察や処方を行う「オンライン診療は」は限られた条件でしか認められてこなかった。今後、国を上げて「オンライン診療」を進めていくことになるだろう。その一つに、患者側に使いやすいアプリの開発、医療機関側に他の医療データとの統合のためのソフトウェアの開発が進んでいくことが望まれる。*1

1-2広がるAI活用

近年医療におけるAI活用は研究開発が進んでいる。特にビッグデーターによる今後の日本の医療計画に大いに役立ちそうである。これにはマイナンバーカードと健康保険証の合体により国民の健康全体を蓄積できるようになっており、東京大学や大阪大学などが神経疾患にAI診断が従来手法と比べて、高い精度で神経疾患を自動診断できることを示した。今後、同様の方法を用いて、様々な神経疾患の診断や、重症度、予後の判定、治療効果の判定などにも応用が期待されている。

1-3専門医師AIによるコンサルテーション

医師が全ての疾患に対してプロフェッショナルになることは難しく、判断が難しい専門領域外の疾患に対しては専門医にコンサルテーションを頼むのが通例である。特に、認知症などの神経疾患やリウマチなどの免疫系疾患は専門医による判断が必要である。AIはその専門性の必要な疾患に対してコンサルテーションを期待されている。クリニックのような小さな医療機関でも専門医AIによる診断で迅速な判断、治療へ進めることができることが期待される。*2

2 製薬

2-1R&D

日本の製薬企業の研究開発は製品になってからの売り上げが国内にとどまる事が多く、多額の投資がしにくい要因がある。しかし、コロナにおいて海外の製品に依存するために、製品の確保に困難を極めた。また、アメリカのFDAのような組織が独立してないため、国の承認まで数年かかる。

そのため、国は人材の育成を早急に進めるために、大学での薬学部の学生を増やす政策をとろうしている。(昨今、薬学部での定員割れが問題になっている、結果として優秀な薬学専門家が育っていない)

2-2治療用アプリ

すでに、高血圧、ニコチン依存症、糖尿病、うつ病など多くの治療用アプリが開発されてきている。特にベンチャー企業が率先して開発に臨んでおり、この分野は注目を集めている。*3

2-3プロモーション

製薬企業のMR(営業マン)による医師への過剰な接待、金品授与による不適切な論文発表によりMRのプロモーション自主規制が厳しくなり、またコロナの影響で不要な医師への訪問が規制されたことにより、ZOOMなどのデジタルプロモーションが主流になってきている。

3 行政

日本の高齢化率は28.8%になった。これに伴って社会保障費も増加しており、行政としては増加する社会保障費の圧縮が大きな課題である。*4

3-1地域連携による地域格差間是正

日本では高度な医療サービスが首都圏に集中しており、地方では高度な医療を受けるのが難しい。一つには国の地域ごとの医療計画があり、地域間の連携計画ができていないことに起因する、また、患者数がそもそも首都圏に集中している事が挙げられる。しかしながら、5G高速インターネット網とIT機器の普及による遠隔診療、ロボットによる治療も現実味をおぼてきておりこの分野は期待できる。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です